佐川恭一著『学歴狂の詩』(集英社)を読む。

私は、佐川恭一という作家は知らなかった。
この本は小説ではない。
ノンフィクションである。
帯の後ろ側には、森見登美彦さんの紹介文がある。
「受験生も、かつて受験生だった人も、みんなが読むべき異形の青春記。」
学歴にとらわれ、不惑になってもその傷が癒えない作者が、自分の思いを、そして、これまで接してきた友人たちへの愛を熱く語っている。
「学歴教」というものにとらわれてしまうと、そこから脱会するのがいかに大変か、いかに人生を狂わせてしまうのかが分かる本。
受験生は、とくに大学を目指す高校生は、学歴にとらわれがちである。
モチベーションを上げるためには大切でもあるのだが、それも行き過ぎると毒になる。
人生が狂ってしまう人もいるのだ。
このことは、大人が子どもたちに教えておくべきである。
これは、作者も本書で強調していた。
『学歴狂の詩』、本当におもしろい「異形の青春記」だった。